「悩む力」姜尚中 集英社新書 第六章 なんのために「働く」のか - 書評あれこれ~

あらすじ 「悩む力」姜尚中 集英社新書 第六章 なんのために「働く」のか 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説  「人は何故働くのか?」案外簡単なようでいて奥が深い問題です。著者はこの回答に対して、「社会の中で他社からそこにいていい」と認められるためには働くしかないと説明しています。

《社会というのは、基本的には見知らぬ者同士が集まっている集合体であり、だから、そこで生きるためには、他社から何らかの形で仲間として承認される必要があります。そのための手段が、働くということなのです。働くことによって初めて「そこにいていい」という承認が与えられる。》

《ですから、私は「人はなぜ働らかなければならないのか」という問いの答は、「他社からのアテンション」そして「他社へのアテンション」だと言いたいと思います。それを抜きにして、働くことの意味はありえないと思います。》  

《これはとても象徴的で、「人が働く」という行為のいちばん底にあるものが何なのかを教えてくれる気がします。
 それは、「社会の中で、自分の存在を認められる」ということです。同じようにその場にいても、ホームレスとしてたまたま通りかかっただけだったら、声をかけられることは無かったはずです。一生懸命働いていたからこそ、ねぎらいの声をかけられた。人がいちばんつらいのは、「自分は見捨てられている」「誰からも顧みられていない」という思いではないでしょうか。誰からも顧みられなければ、社会の中に存在していないのと同じことになってしまうのです。》


 従来は人が働いて他社からの承認を得るための場所を提供する機能を「企業」が人材を雇用することで果たしていたと考えています。
 ところが景気の停滞につれて企業は派遣切り・リストラ等の形で「他社からのアテンションを得る場」を奪われる事がめずらしくなくなってきています。
 雇用が減少していくことは当然、経済的な側面もありますがやはり、「社会からのつながり」から切り離されるという精神的な不安という要因も非常に大きいのではないかと思います。
 人は社会の中で「そこにいてもいい」という承認を得るためには働くしかありません。「企業」がその場所を提供する仕組みが崩れ去っていく現在、地域単位でのコミュニティーを通じて従来「企業」が果たしてきた役割を代替する必要があると思います。

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