「会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く」勝間和代 光文社新書 - 書評あれこれ~

あらすじ 「会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く」勝間和代 光文社新書 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説  持続的成長が期待できない中で、終身雇用に胡坐を掻いてそのリスクに気づかないまたは、気づいていても対処しようとしない事の危険性と、これからリスクとどのように付き合っていくかについて書かれています。

《要するに終身雇用というのは、特に若年層は安い給料でこき使われる丁稚奉公のようなものです。ただ、丁稚奉公は将来、出世したり高い退職金で報われたりという理由で我慢しますが、ここ最近、どうもこのまま丁稚奉公を続けていても報われないのではないかと、みなが気づき始めました。》

 丁稚奉公と云うのは、少ない給与や過酷な労働環境に耐えて修行をする、言わば「下積み」のようなものです。この「下積み」というのは、将来に渡って親方は弟子の面倒を見る、弟子も親方を信頼して着いていくという主従関係があって初めて成り立ちます。しかし、会社もいつどうなるか分からない現代では、「着いてはいったけどいいように使われて後は捨てられた」という話も珍しい話ではありません。

《しかし、リスクをとらないことや保守化していくことは、外部環境が変化した場合、その適応が遅れることになり、かえって大きなリスクを取らざるを得ない状況に陥ることを意味します。》

 丁稚奉公の場合は親方に言われた通りのレールを通っていけば一人前の職人として独り立ちすることが出来ました。ある意味では自分では何も考えずに決められた通りに流されていけばいいので、楽かつ、合理的といえば合理的だと思います。しかし、いつ会社が無くなるか分からない現代では、いつリスクがあるか分からないという心構えを持っておくことが必要だと説いています。

《繰り返しになりますが、リスクとは不確実性のことです。そして、リスク管理というものは、その不確実性に対してきちんと情報の収集を行い、分析をし、その最大リスクまで計算し、最良の手段を選んで、自分の発生するリスクをコントロールすることです。
そのためには、なにがリスクかということを見つける能力と、見つけたリスクについて起こりうるシナリオを考え、代替案を考え、最良のリスク・リターンを見つけるという「リスク・リテラシー」が必要になります。》

 
 丁稚奉公の例では親方が情報収集、分析を行い弟子はそれを実行するだけで、それに従っていればよかったのでそこまで考える必要はありませんでした。しかし、現代では親方の担っていた事を弟子である側が主体性を持って対処しなければならなくなってきています。

 人間はある意味、動物の一種であり、動物は常に外敵からのリスク、攻撃に対処していかなければなりません。 人間とて同じ事で、持続的経済成長の中で外的から守られた、終身雇用と云う名の安全な檻の中の論理を永久に持ち続けること。そしてその論理を後釜に押し付けること自体が一時的にはよくても、永久に持ち続けることには無理があると思います。
 ところが、持続的経済成長神話を前提にした新卒一括採用・終身雇用制が逆にレールからはみ出た人達の働く機会を妨げているのが現状です。どうして、そんなことが起こっているかというと、バブル時代の経済成長を前提にした論理がはびこっていて現在の状況に対応していないからだと思います。
 個人レベルでリスクと付き合っていかなければならないというと何だか、ギスギスした話ですが、「リスク」と正しく向き合わなかった結果が現在のような経済状況を作った一因だと思うと結局は個人レベルでも国家レベルでも「リスク」と正面から向き合わなかったことが、最終的には多くの幸福を得るためには必要だと思いました。

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