タイタス・アンドロニカス「シェイクスピア著」口にナイフをくわえてまで恨みをはらそうとする怨念の深さ - 書評あれこれ~

あらすじ タイタス・アンドロニカス「シェイクスピア著」口にナイフをくわえてまで恨みをはらそうとする怨念の深さ 読書感想文

このエントリーをはてなブックマークに追加

解説あらすじ・読書感想文・解説

シェイクスピア全集 12 タイタス・アンドロニカス (ちくま文庫)

シェイクスピア

タイタス・アントロニカス
シェイクスピア著 松岡和子訳「タイタス・アンドロニカス」ちくま文庫

《俺たちはこの苦い苦しみの復讐をするのだ、
 それに必要な体力をつける分だけにしておけ。
 マーカス、悲しみの花輪のようなその腕組みをほどいてくれ。
 お前の姪と俺は、情けないことに手がないから。
 腕組をして悲しみを汲み取ってもらおうにも
 それができない。取り残されたこの哀れな右手は
 俺の腕にとっても暴君だ、
 俺の心臓が惨めさのあまり狂いだし
 このうつろな肉の牢獄のなかでのたうつと、
 こうして殴りつけて鎮めるのだ、
 (ラヴィニアに)そうやって身振りでしか話せないお前は悲しみの縮図だ、
 お前の哀れな心臓がいくら狂おしく脈打っていても
 こんなふうに殴っておとなしくさせることはできない。
 溜め息で心臓を傷つけ、うめき声で殺してやれ、
 でなければナイフでも口にくわえ、
 心臓めがけて胸に穴を開けてやれ、
 すうすればお前の哀れな目からこぼれる涙は
 一滴残らずその穴に流れ込み、吸い込まれ、そこにいる
 馬鹿な泣き虫を塩辛い海でおぼれさせるだろう。》P105,P106

 タイタスは自らの右手を切り落とした恨みと、
 ラヴィニアの舌と両手を切り落とされた恨みをはらすために、
 タモーラとその息子達に対して復讐を誓う。
 両方の腕が無くとも、口にナイフを加えて心臓に穴を開け、
 そこに涙を流し込んでやれ、
 という台詞はタイタスの怨念の深さを物語ります。
関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加


書評あれこれ~

書評記事おすすめ
世界文学名著おすすめ日本文学名著おすすめ

コメント
非公開コメント

トラックバック
当サイトのテキスト・画像等すべての転載転用、商用販売を固く禁じます 
Copyright © 書評あれこれ~ All Rights Reserved.