タイタスアンドロニカス「シェイクスピア著」他に類を見ない悪党、エアロン(2) - 書評あれこれ~

あらすじ タイタスアンドロニカス「シェイクスピア著」他に類を見ない悪党、エアロン(2) 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説

シェイクスピア全集 12 タイタス・アンドロニカス (ちくま文庫)

シェイクスピア

タイタス・アントロニカス
シェイクスピア著 松岡和子訳「タイタス・アンドロニカス」ちくま文庫

 女王タモーラと共謀し様々な残虐非道の手段を使って、
 タイタスの娘や息子を陥れるムーア人のエアロン。
 本編では決して主役ではありませんが、
 その存在感は主役のタイタスよりも抜きん出ていました。

エアロン
《してるさ、もっとやっときゃよかったってな。
 今だって呪ってるよ、名を上げるような悪事をせずに
 過ごした日のことをーもっともそういう呪わしい日は
 ほとんどなくて、何かかんかやってたがな、
 人を殺すとか、でなきゃ殺す手を編み出すとか、
 若い娘を犯すとか、そのための計画を立てるとか、
 (中略)
 しょっちゅうやったのは、墓から死人を掘り出して、
 親類縁者の家の戸口に突っ立たせておくことだ、
 連中が悲しみを忘れかけたことを見計らってな、
 でもって、立ち木の皮に彫るように、ナイフを使って
 死体の皮膚にラテン語でこう刻みつける、
 「我死すとも、汝らの悲しみを死なせてはならぬ」。」》P160

 タイタスの娘ラフィーリアの舌と手を切り落とす事や、
 タイタスの息子二人に王の弟バシエイアス殺害の冤罪を着せたことに対して、
 罪の後悔はないのかと問われた時のエアロンの文章。
 忘れかけたころに死体を戸口に立てかけるという、何たる嫌味たらしさ。
 こんな奴が現実にいたと思うとぞっとします。

《ちぇっ、これまで俺はものすごい悪事を何百何千とやってきた、
 それも大はしゃぎで、ちょうど人がハエを殺すみたいにな。
 いま俺が心底残念に思うことは一つしかない、
 何千何万て悪事がもうできないってことだ。》P160

 まるで子供が悪戯をしているかの如く、
 ちょっとしたお遊びのようなものであるように話しています。
 最後にエアロンはこれまでの罪を問われて、
 生き埋めの刑に処されますが、
 生き埋めの刑でも生ぬるいような気がします。
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