ハムレット(シェイクスピア著) 人生を激しく演じるハムレット - 書評あれこれ~

あらすじ ハムレット(シェイクスピア著) 人生を激しく演じるハムレット 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説 ハムレット
《狂気!ごらんなさい、この脈を、母上と同様、音楽のように正常な時を刻んでいるー
気ちがいのたわごとなどであるものか。
試してみてください、いま喋ったことを。
一から十までくりかえして見せましょう。
気ちがいならきっと脱線するはずだ。
母上、お願いです。御自分を甘やかしてはなりませぬ。
これほどまでに口汚う申しあげねばならぬのも、
所詮は母上の罪ゆえ、けっしてハムレットの狂気のせいだとお思いになってはなりませぬぞ。
そのような気やすめの油薬を塗って上っ面をごまかしておいでだと、
目に見えぬ奥のほうが腐ってゆく。懺悔をなさるがいい。
過去を悔い、将来をおつつしみなさい。
雑草に肥料をやって、繁らすことはない。
許してください、善人ぶって、このような口はばたいことを申しあげて。
なるほど、この堕落しきったこの世の中では、美徳が悪徳の許しを乞い、
あまつさえ、辞を低うしてその顔色をうかがいながら、事をなさねばならぬらしい。》


《おお、ハムレット、お前は、この胸を真っ二つに裂いてしまった。》

ハムレット
《おお、それなら、その穢いほうを棄てて、残ったきれいなほうで、
清く生きてくださいますよう。では、おやすみ。
が、けっして、叔父上の部屋へいらしてはなりませぬ。
操はなくとも、せめてあるようにおふるまいになることです。
習慣という怪物は、どのような悪事にもたちまち人を無感覚にさせてしまうが、
半面それは天使の役割もする。
終始、良い行いをなさるようお心がけになれば、はじめは慣れぬ借着も、いつかは身についた普段着同様、
おいおいお肌に慣れてくるものです。今宵一夜をおつつしみなさい。
あすの夜はもっと楽になりましょう。
その次はさらにたやすく。こうして習いは性となり、人は、知らぬままに、
悪徳を手なずけられもしようし、それを追いだしてしまうことも出来る。
もう一度、おやすみなさい。いえ、神のお慈悲を求めるお気もちにおなりのとき、
改めて祝福をいただきましょう。
この老人、(ボローニアスの死体を指さし)かわいそうなことをしたが、
これも天の配剤。神はハムレットを使ってこの男を罰し、
この老人を囮にハムレットを陥れようとしているのだ。
この身は神々の振う鞭ともなり、また、
それを受ける奴隷の身でもあるというわけ。
死骸はかたづけておきましょう。
人をあやめた責めは負うつもりです。
では、お心しずかに。ずいぶんひどいことを申しあげましたが、
それもおためを想うからこそ。
いやな開幕だが、あとにはもっといやなことが……
(いきかけてもどってくる)母上、もう一言。》


《なにを、どうしろと?》

ハムレット
《なんでもなさるがいい、いま申しあげたことは、
一切わすれて、脂肪ぶとりの王様の言いなりに、
今宵もお床入りになさるがよろしい。
頬をつつかせ、「ういやつ」とでもなんとでも言わせておけばいい。
臭い口でなめまわされ、いやらしい指さきで項をくすぐられて、
それで有頂天になって、何もかもぶちまけてしまえばいいのだ。
あの子の狂気は真っ赤なうそ、上辺だけの偽きちがいだと。
そう知らせておやりになったほうがおためでしょう。
いかにお美しいお妃様でも、どれほどお淑やかでさかしかろうと、
これほどの一大事、黙って隠しおおせはしますまい。
ことに相手が、あの魔女の子分のひき蛙、蝙蝠、牡猫の同類ときたひには、
とても出来はしますまい。分別も秘密もあったものではない。
あの、なんとかいう猿の話ではないが、鳥籠を屋根の上に持って行って、
蓋を開けてやり、鳥が逃げるのを見て、
今度は自分がその中にもぐりこみ、飛ぼうとしてみごと失敗、
ころがり落ちて首でも折るのが落ちだ。》P123、P124

 「ハムレットの最大の魅力は、彼が自分の人生を激しく演戯しているということにある。」
と読んだ本の解説の文章に書かれていました。
 
《目に見えぬ奥のほうが腐ってゆく。懺悔をなさるがいい。
過去を悔い、将来をおつつしみなさい。》

 上記の節はハムレットが母に対して、前王を裏切って叔父に嫁いだことへの罪を、
悔い改めるように忠告した際の文章です。
 
 ハムレットは母の罪を糾弾するために狂気を演じた状態から、
母に罪を悔い改めるように、母を説得する役割を演じています。

 「彼の人生を激しく演戯している」という特徴がよく表れた文章でした。
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