「ハムレット(シェイクスピア著)芝居に込められた皮肉」 - 書評あれこれ~

あらすじ 「ハムレット(シェイクスピア著)芝居に込められた皮肉」 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説 シェイクスピア著 福田恆存訳「ハムレット」新潮文庫

劇中の妃
《ああ、どうしてもそのようなことが、
たとえば大地も食を恵まず、天も光を与えず、昼の楽しみ、夜の慰みを奪われ、絶望と不安に突き落とされようとも、
また獄につながれ、生涯、日のめも見られず、世のあら禍が愛するもののうえにふりかかったり、
その心の苦しみが未来永劫、のちの世まで、この身につきまとおうとも、
ひとたび夫を失ったものが、他に嫁ぐなど、どうしてそのようなことが!》

ハムレット
《その誓い、まさか破るまいな!》

劇中の王
《よく誓ってくれた。しばらくひとりにしておいてくれぬか。
疲れてきた。ものうい昼の一時、午後にすべてを忘れたい。(眠りに入る)》

劇中の妃
《よくおやすみになり、お心の疲れも解けますよう!
二人のあいだに、二度と禍のかげのさしせまぬよう!(退場)》

ハムレット
《母上、いかがでございます、このお芝居は?》


《いかにも誓いがくどすぎるように。》

ハムレット
《なるほど、いや、誓ったからには守りましょうよ。》P102

 ハムレットは王と妃に芝居を上演する。
 その内容は王が前王を殺害した手段を再現と、
「一度夫を失ったものが、他に嫁ぐなど」
という台詞を盛り込んで、前王の死後、その叔父と再婚した、
母に対する批判も込められています。
 それはハムレットの母と王に対する中てつけでもありました。
 
ハムレット
《などと言って、どこまでも知らぬ顔、そうして神妙に御亭主を……
(舞台のほうを見て)おい、人殺し、いいかげんに始めぬか。あばた面!
そんなまずい面は、さっさとかたづけて、さきへ行け!
それ、いよいよー「怨みをはらせと、大烏、鳴く声、陰にしわがるる」》

ルシーアス
《心は黒く淀み、手は逸る。薬の効きめはたしかだ。
今こそ、その時、さいわい、人目もなし。
闇夜の草よりしぼりとり、三たび魔女の呪いをくれしこの毒液。恐ろしき魔力をふるい、
瞬時にかのすこやかなる命を絶ってくれ。(王の耳に毒をそそぐ)》

ハムレット
《王位を手に入れるために、庭で眠っている王を毒殺するところだ。
王の名はゴーンザーゴ。しかも実話だ。立派なイタリー誤で書いてある。
すぐにわかるぞ、あの人殺しめ、これから妃をたらしこむのだ。》

王は顔面蒼白になり、よろめくように立ち上がる。

オフィーリア
《あ、王様がお立ちに。》

ハムレット
《おお、嘘の火の手におびえて!》


《どうなさいました、お加減が?》

ポローニアス
《芝居をやめろ、芝居を。》


《あかりを、あかりをー部屋へ!(大広間より急ぎ退場)》

 
 「一度夫を失ったものが、他に嫁ぐなど」という台詞から、
前王の死後、叔父と再婚した母に対する批判を、

 「庭で眠っている王を毒殺する」場面を上演することで、
 前王を殺害した現王の叔父にたいする皮肉を込めています。

 狂気を演じるハムレットの王と母に対する、
 皮肉や風刺が込められた文章でした。

ハムレット

ハムレット (新潮文庫)


シェイクスピア

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