「罪と罰」ラスコーリニコフの屈折した世界観 - 書評あれこれ~

あらすじ 「罪と罰」ラスコーリニコフの屈折した世界観 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説
ドストエフスキー

罪と罰〈下〉 (新潮文庫)


罪と罰

ドストエフスキー著 工藤精一郎訳 「罪と罰」新潮文庫

《「つまり、ぼくはその男の親しい友人だということになるわけだ……知っているとすればね」
 ラスコーリニコフはもう目をそらすことができないように、
 執拗に彼女の顔に目をすえたまま、話をつづけた。
 「その男はリザヴェータを……殺す気はなかった……老婆が一人きりのときをねらって……行った
 ……ところがそこへリザヴェータがもどって来た……男はそこで彼女も殺したんだ」
  さらにおそろしい一分がすぎた。二人はじっと目を見合ったままだった。
 「これでもわからないかね?」と彼は不意に、鐘楼からとび下りるような気持で、尋ねた。
 「い、いいえ」とほとんど聞きとれぬほどにソーニャはささやいた。
 「ようく見てごらん」
 (中略)
 「わかったかね」と、彼は囁くように言った。
 「ああ!」という悲痛な叫びが彼女の胸からほとばしった。》P287

 ソーニャに対して自分が老婆を殺した犯人である事をそれとなくほのめかす。
 献身的に家族のために働くソーニャに対する嫌悪感がにじみ出ている。
 ラスコーリニコフが老婆を殺した犯人であると知ったソーニャは酷く動転する。
 不安におののくソーニャを軽蔑するかのように話す、
 ラスコーリニコフの姿が彼の屈折した世界観を映し出している。
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