私が出会った読書の方法③クライマックス読みーー物語の本質が凝縮されている箇所を読み取る - 書評あれこれ~

あらすじ 私が出会った読書の方法③クライマックス読みーー物語の本質が凝縮されている箇所を読み取る 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説
効率的な本の読み方③番目はクライマックス読みです。

その名の通り、物語のクライマックスの部分を読み取る方法です。

齋藤孝著「原稿用紙10枚を書く力」だいわ文庫で次のように語っています。

《「起承転結」とは、四つが均等のものではなく、実は「転」があるかないかにすべてかかっている。(中略)
 「転」というからには、「ところがこうなんですよ」と、言いたいことがあるわけだ。
 「ところが」と言うからには、何かが変わっている。》P28

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)



「起承転結」での「転」すなわち"ところがこうなんですよ" と今までの展開が覆される部分が、ここでいう「クライマックス」に当ります。

クライマックス、つまり「転」の部分を読み取ることによって、その作品の魅力が凝縮されている箇所に触れることができます。

そうすることで、より多くの本に触れることができます。

シェイクスピア著「ヴェニスの商人」新潮文庫 を例に取りたいと思います。

《この商人の肉一ポンドはお前のものである。当法廷はそれを許す。国法がそれを与えるのだ。(中略)

待て、まだあとがある。この証文によれば、血は一滴も許されていないなー文面にはっきり「一ポンドの肉」とある。

よろしい、証文のとおりにするがよい、憎い男の肉を切りとるがよい。

ただし、そのさい、クリスト教徒の血を一滴でも流したなら、お前の土地も財産も、ヴェニスの法律にしたがい、国庫に没収する。》P117

ヴェニスの商人 (新潮文庫)



友人のために、悪徳高利貸しのシャイロックから借金をしたアントーニオーは、
嵐で自らの商船を失ってしまい借金を返済出来る目処が立たなくなってしまう。

アントーニオーは借金返済の担保に、自らの胸の肉一ポンドを差し出すという証文を、シャイロックとの間に事前に交されていた。

そして、アントーニオーは借金返済の目処が立たなくなったために、胸の肉一ポンドを差し出すという無茶苦茶な証文を実行に移さなければならなくなった。

しかし、裁判官の一言により状況は一変する。

シャイロックは胸の肉一ポンドを得るためにいかなる重さの差異及び、血の一滴でも流したなら財産を没収すると告げられたため、アントーニオーの胸の肉を切りとることを断念する。

裁判官の一言が今までの展開を覆す、台どんでん返しとなっており、この部分が"クライマックス"となっている。

クライマックス読みは全体を通読してから、「ここがクライマックスだな」とめぼしを付けてから読んだ方が読みやすいと思います。
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