若きウェルテルの悩み - 書評あれこれ~

あらすじ 若きウェルテルの悩み 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説

若きウェルテルの悩み (岩波文庫)



 ゲーテ著「若きウェルテルの悩み」岩波文庫を読みました。親友の恋人に対するひたむきな愛とその破局を描いた作品というだけあって、あらゆるところに不安や絶望の感情が言葉の中に凝縮されていました。

《あの姿がどこに行ってもつきまとう。夢にも、現にも、魂の隅々まで充たしている!目をとじると、ここの額の中に、内なる視力が集まるあたりに、あのひとの黒い瞳があらわれる。ここに!だが、はっきりといいあらわすことができない。目をふさぐと、いつもそこにまざまざとある。海のように、深淵のように、この双の瞳は私の前にやすらい、私の内にとどまって、この額のあらゆる感覚をみたす。》P132

 深淵な様子が窺える文章。目をふさぐとあらゆる感覚を充たす情景はどこか神秘的な感じが窺える。

《どうしたらいいのだ。-ああ君、私はもうお終いだ。もうこれ以上は堪えられぬ!今日、ロッテの横にいたー坐っていた。あの人はピアノを弾いた。さまざまの戦慄、ありとあらゆる情感!なにもかも!隅から隅まで!どうしたらいいのだ、君!-ロッテの妹が私の膝の上で人形に着せていた。目に涙がにじみでた。》P131

 不安と絶望が彼を狂乱させて、こらえきれない気持を吐露されているのがよく分かります。

《ああ、この空虚よ!ここに、わが胸の底に、感ずるおそろしい空虚よ!-幾度となく思わずにはいられぬ、ただ一度、せめてただの一度なりとも、この胸のあのひとを抱きしめることができたら、この空虚はあますことなく充たされるものを。》P118

 胸の空虚感で胸が引裂かれるような思い、そんな印象を抱かせる一文でした。

 胸の中にある気持を振り絞って吐露している。そんな印象を全体的に受けました。
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