家政婦のミタと夏目漱石のこころ - 書評あれこれ~

あらすじ 家政婦のミタと夏目漱石のこころ 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説  家政婦のミタは現在第8話が29.8%の高視聴率を記録した現在人気のホームドラマです。このドラマの構成は夏目漱石「こころ」と類似している部分があると思いました。「こころ」を使って、何故三田がドラマで放映されているような行動をとるか考えて見たいと思います。

 三田が派遣される阿須田家は、父親が不倫をしたことをきっかけに妻がそのショックから自殺した事が原因で、父親はその罪悪間に苛まれることとなります。
 三田自身も、過去に居候している夫の弟から執拗に関係を迫られていました。それを知った夫が弟を家から追い出した事で、弟は逆上して放火をして、夫と子供の二人を亡くしてしまいます。そして自分だけ生き残った罪悪感から三田は笑顔を失ってしまいます。
 こころの「先生」も過去に親友Kを裏切って恋人を得たが、親友が自殺したために罪悪感に苦しみ、世間との関わりを絶ってひっそりと暮らしていました。そして、「私」に過去の親友Kとの出来事を告白した手紙を残して「先生」は自らの命を絶ってしまいます。

 こころの「先生」は「私」が過去の出来事を話すに値するか試していました。

《「あなたは本当に真面目なんですか」》と先生が念を押した。「私は過去の因果で、人を疑りつけている。だから実はあなたも疑っている。然しどうもあなただけは疑りたくない。あたたは疑るにはあまりに単純すぎる様だ。私は死ぬ前にたった一人で好いから、他を信用して死にたいと思っている。あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたは腹のそこから真面目ですか」》

 先生は死ぬ前に自分の腹の中の過去の出来事を吐き出せる相手を求めていた。
 三田にも同じ事が言えるのではないかと思います。おそらく似たような境遇の阿須田家の人達なら話しても良いと判断したのか、第8話で三田は自らの過去を語って阿須田家を去っていきます。そして、次に勤める皆川家で、《「平気で人を殺そうとするなんて・・・あなたが死ねばいい」》と言われた言葉に対して、灯油を被り自らの命を絶とうとしています。

 このように「家政婦のミタ」も夏目漱石の「こころ」も自らの心の内を吐き出すことによって、自分の記憶を他人の心の中に残しておくことで、最後に「他人を信用して死ぬ」ということを実現したのだと思います。

日本テレビ 家政婦のミタホームページ
http://www.ntv.co.jp/kaseifu/news/index.html

「こころ」夏目漱石 新潮文庫

こころ (新潮文庫)


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