大人のケンカ必勝法 - 書評あれこれ~

あらすじ 大人のケンカ必勝法 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説

大人のケンカ必勝法[愛蔵版]



 和田秀樹著「大人のケンカ必勝法」PHP研究所を読みました。ケンカを心理戦と捉えて精神医学、心理学の切り口から分析しています。

《ケンカをする際の一番の理想形は、周りの人間がこちらの味方になってくれることである。つまり、ケンカをしているうちに、ギャラリーを自分の味方にするのである。たとえば、選挙の論争のときに、ディスカッションをしているうちに、ある候補者の意見と自分の意見が一致して、見ているほうが応援してしまうような場合がある。ケンカや論争でも、周りの人間に好かれることは大切である。》P114

 周囲を味方につけるというのは、下手に目先の勝ちを得るよりも価値のあることだと思います。「負けるが勝ち」という言葉がありますが、目先の勝負に負けても周囲を味方につけることが出来たならば、目先の1回の勝ち以上に価値があるような気がします。 

《生き残るためには、負け上手になることも必要だ。負け方が下手な人間というのは、ずっと勝ちつづけていても、一つ負けただけで、その場から退場しなければならなくなる。そもそも市場原理や競争原理というのは、負けた人間は市場から退場するというのが原則だから、退場するような負け方をしてしまっては、当たり前のことだけれども生き残ってはいけない。》P160

 市場競争ではそもそも「生き残り続ける」ことを「勝ち」とみなしていいのではないかと思います。一時期大ヒットして数年たったらぱったり出演が無くなる、一発屋といわれるようなタレントよりも、目立ったヒットは無くてもテレビに出続けているタレントの方が「勝っている」という感じがします。

《スキーマの怖さは、その点にある。自分が強い思い込みを持っていると、二律背反的になり、別の可能性、つまり並列で存在する他の可能性を想像できなくなってくる。それは思考パターンを狭め、よりよい問題解決案から遠ざけることがある。「こういう可能性もある」「こういう人もいると」いう多様な巾を持った推論をすることが、正しい答に近づくためにも最も重要なことである。》P63

 物事は必ずしも2者択一ではありません。本著にも、「暗記で物理の成績が良くなって理科が好きになった子もいれば、実験で理科が好きになる子もいる。」、どちらが正しくてどちらが間違っているという事ではないと主張しています。物事を白黒だけで判断するのは楽なことです。自分を客観視出来ずに楽な状態に逃げていることに気付かずに、「相手の粗探し」をして自分の意見の正当性をこれみよがしに主張する人もいるのは困ったものです。

 本書を読んで喧嘩の要点は「感情的になったほうが負け」と言う点でした。目先の勝ち負けよりも大局的に物を見て、様々な事に対して目くじらを立てない懐の深い人間が最終的には勝つのだなと思いました。
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