「極小コマに職人火花」 - 書評あれこれ~

あらすじ 「極小コマに職人火花」 読書感想文

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解説あらすじ・読書感想文・解説 7月12日(木)東京新聞に直径10㍉、高さ15㍉の極小の「精密こま」開発をきっかけに自社の技術力を外部にアピールする取り組みが紹介されていました。この「極小コマ」開発をきっかけに自社の技術力を外部にアピールするとともに、同業者同士で自作コマの大会も開かれるようになり、技術の向上と外部への積極的なアピールをする取り組みが取り上げられています。

《まぶしい輝きを放ちながらステンレスのコマが回る。回転が速いうえにぶれないので、目を凝らさないと静止しているように見える。約三分も回り続けた。
 神奈川県茅ヶ崎市の「由紀精密」が開発した「SEIMITSU COMA(精密こま)」。一個八四十円でインターネット販売する。多いと一日に百個以上売れる。》

 どうしても中小の部品メーカーの技術と言うのは一般に知れ渡り辛いですが、「コマ」という皆が知っているかつ技術の違いが見た目に分かりやすいものでアピールしたことがヒットの要因だと思います。

《技術力があるのに売り上げにつながらないのに疑問を持った。油まみれの工場で中高年がモノを作るという古いイメージから「研究開発型の町工場」に変えたいと思った。若手研究者を採用し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使った製品の情報発信でPRに努めた。》
 
 技術力があっても、「それをどのような角度でそれを売り込むか」は今まであまり重要視されてこなかったような気がします。日本人の気質なのでしょうか?しかしそういった気質から脱却した先駆けとしていい例だと思いました。

《横浜市の木型製造会社「ミナロ」の緑川賢治社長(四六)が「旋盤があれば作れるコマを使えば、中小企業が精度や形、精密さを鍛錬して競う場ができる」と開会開催を呼びかけた。二月、横浜で開かれた「全日本製造業コマ対戦には」二十一チームが参加。直径二㌢以下のコマがいかに長く、土俵の外にはじき出されずに回っていられるかを競った。由紀精密が優勝した。》

 技術の向上や経営の効率化のために他社との競争による外部からの刺激を得ることは不可欠だと思います。ところが近年、偽装や過労死に見られる行き過ぎた競争の弊害が多く見られる中で、「コマ対戦の大会」という形での競争により技術を向上させる取り組みには健全な競争の姿というものを感じました。 

 製造業にとって技術を外部にいかにアピールするかは大きな課題であると思います。自動車メーカーのマツダが「低燃費」の汚名を晴らすためにロータリーエンジンを搭載
した車でルマン24時間耐久レースで総合優勝を果たしたように技術を競う大会がきっかけで、一般に名前が知れ渡ったという例は過去にもあります。
 しかし、中小の部品メーカーにとって、技術を競う大会のような物はなかなか無かったのが、「コマの対戦」という形で外部にも分かりやすく技術力のアピールが出来る場があることは日本の製造業にとって大きな転機になるのではないかと思いました。

7月12日(木)東京新聞 30面 町工場の技術 世界へ広める
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