世界文学名著や日本文学名著の書評を紹介するブログです。
ファウスト〈第二部〉 (岩波文庫)ファウストゲーテ著 相良守峯訳「ファウスト」岩波文庫《わたしの眼は遥かな海原に引きつけられた。 それはふくれ上がって、おのずから聳えたち、 やがて低くなったかと思うと、波を逆巻かせて、 広々として平たい岸辺に襲いかかる。それが私の癪にさわったのだ。 それは丁度、不遜な心が、情熱にはやる血気にまかせて、 すべての権利を尊重する自由な精神を傷つけ、 これを不快な気分に変...
2013.06.30 スポーツ
罪と罰〈下〉 (新潮文庫)ドストエフスキー著 工藤精一郎訳 「罪と罰」下 新潮文庫《「あなたは、たしか、昨日ぼくに言いましたね、 ぼくとあの……ころされた老婆の関係について……正式に……尋ねたいとか……」 とラスコーリニコフは改めて言いだした。 《チエッ、なんだっておれはたしかなんて言葉をはさんだのだ?》という考えが彼の頭をかすめた。 《だが、このたしかをはさんだのを、なぜおれはこんなにきにするのだ?》...
2013.06.30 スポーツ
ファウスト〈第二部〉 (岩波文庫)ゲーテ著 相良守峯訳 「ファウスト」第二部 岩波文庫《あの山脈に沿うて沼沢地があり、その毒きが、 これまで開拓してきた場所をすっかり害なっている。 あの腐った水溜まりにはけ口を作るという 最後の仕事が同時に最高の開拓事業なのだ。 おれは数百万人の人々に、安全とはいえなくとも、 働いて自由に住める土地をひらいてやりたいのだ。 野は緑に蔽われ、肥えている、人々も家畜を...
2013.06.29 スポーツ
罪と罰〈下〉 (新潮文庫)ドストエフスキー著 工藤精一郎訳「罪と罰」新潮文庫《「お金を貯えることはできませんか?万一の場合に備えて?」ととつぜん彼女のまえに立ちどまって、彼は尋ねた。 「だめですわ」とソーニャは蚊の鳴くような声で言った。 「むろん、だめでしょうね!でも、やってみたことはありますか?」と彼はほとんどあざけるようにつけ加えた。 「やってみましたわ」 「そして挫折したというわけか!まあ、そ...
2013.06.29 スポーツ
おすすめの世界文学名著及び、作品一覧のページです。簡単なあらすじと感想文も書いているので、読みたい作品を見つけるのに活用してもらえるとうれしいです。マクベス (新潮文庫)あらすじと感想スコットランドの将軍マクベスが妻と謀って、王ダンカンを殺害し主君の座に就く。しかし、王位の座を奪われることを恐れるマクベスは、その脅威となるものを次々と殺害し、自らの手を血に染めてゆくことになる。現実ではありえないとん...
2013.06.26 スポーツ
トーマス・モア著 平井正穂訳「ユートピア」岩波文庫を読みました。《ただし、「ユートピア」という言葉を用いるときには時に注意が必要である。現代人が素朴に「理想郷」としてイメージするユートピアとは違い、トマス・モアらによる「ユートピア」には非人間的な管理社会の色彩が強く、決して自由主義的・牧歌的な理想郷(アルカディア)ではないためである》出典 wikipedia にあるように、通常、「理想郷」と言われて思い...
2013.06.25 スポーツ
ガリヴァー旅行記 中野好夫訳 第一編 「リリバット(小人国)渡航記」新潮文庫 ガリヴァーは船医として乗った燕号が東インドへの航海中、暴風雨に遭う。そして降りついた島に住んでいる住人は身の丈六インチと無い小人達が住む島でした。《通常われわれは、口でこそ賞罰、この両者こそ政治運用の要などと言っているが、この金言が実際行われているのは、吾輩リリバットを除いてどこの国にも見たことがない。ここではなにびとに...
2013.06.22 スポーツ