世界文学名著や日本文学名著の書評を紹介するブログです。
太宰治著「人間失格」角川文庫を読みました。著者の世の中に対する恐れがよく表れています。《ヒラメの話し方には、いや、世の中の全部の人の話し方には、このようにややこしく、どこか朦朧として、逃げ腰とでもいったみたいな微妙な複雑さがあり、そのほとんど無益と思われるくらいの厳重な警戒と、無数といっていいくらいの小うるさい駈引きとには、いつも自分は当惑し、どうでもいいやという気分になって、お道化で茶化したり、...
2013.03.17 スポーツ
坂口安吾著「小さな部屋」(坂口安吾全集1に監修)読みました。坂口安吾の作品ならではのぶっ飛んだ登場人物が相変わらず健在です。《麻油は振り離して起上った。伊豆の奇妙な変態性欲が頷けたのである。麻油は失心したように眼を閉じて動かない伊豆の姿を見下して暫くの間じっと息を窺っていたが、やがて真白い肉附きのいい二本の腕を忍ばすように静かに延すと、伊豆の顎を圧えて力強く絞めつけた。白い泡を吹いて、手足を殆ど力...
2013.03.14 スポーツ
文学作品書評集坂口安吾著「竹藪の家」(坂口安吾全集01)を読みました。 坂口安吾の作品は物語よりも、目茶苦茶な人間が魅力でした。《恐らくは太い怒りを胸に蔵して憎々しげに素知らぬ顔を作るところへの斯る敵意の沈黙であった。-痩せ衰えて思案深い与里の老母は、日頃物憂げに針を手にして部屋の片隅に凭れたまま、日を終るまで一手動かす気配もなく思案に耽る様子であったが、この朝は如何ばかり忙しげに顫える手先を爪繰...
2013.03.13 スポーツ
・読書普及研究室:書評【おすすめ本棚】書評・読書感想文を記録して、本のデータベースにしていきます。本選びの参考にしていただき一人でも多くの読書家が増えると嬉しい限りです♪是非、あなたも人生を変える一冊を見つけ出してください。 ・my treasure books自己啓発本からIT、ライフハックまで様々な情報を共有しております。・ネオバックバッカーのブログ・読書と日記と1%・The One Stranger's Life・『夙川のほとりで』・...
2013.03.12 相互リンク集
・歌詞と小説の町 ツガイの巣・県立オタク中学・フリースタイルライフ FSL02・砂乗一郎のネットカフェめぐり・30cm横にいて・侍道ドットコム ・ギルドさくら保育所・ すばらしき格闘技・武道・武術の世界・ いびき・ 偏屈文化人のブログ ・ エストリルのクリスマスローズ ・ ドクターアキヤマのレトロな計算道具たち ・ 人前でうまく話すコツ!人前で話す事が苦手だった私が克服した方法教えます!・人前で話すことが苦手だった管理人が、...
2013.03.12 相互リンク集
ふと思いました。何故、私は「書く」のだろうかと?書きたい!という衝動にかられるから?でも、どちらかというと書くネタが出てこないという時の方が多いです。でも、「書かなければ!」、 という衝動に駆られる事がしばしばあります。どうしてでしょうか?ふと考えてみた所答は夏目漱石の「それから」(岩波文庫)の中にありました。それから (岩波文庫)《僕は僕の意志を現実社会に働き掛けて、その現実社会が、僕の意志のために...
2013.03.09 スポーツ
私は文学作品を読むときは特に、多読で同じ本を何回か繰り返し目を通します。齋藤孝氏は著書「読書力」の中で《読書はスポーツだ》と語っています。読書力 (岩波新書)スポーツというのは基本的に反復練習で正しい動きを身体に刻み込むことで技術を体得していきます。《読書はスポーツだ》というのも、文章を反復して読むことで内容を身体に刻み込むもの、という考えに基づくのではないかと思います。樋口裕一著「差がつく読書」の...
2013.03.09 スポーツ